東京都文京区
小石川 5-1

大きな建物をアートで満たす仕事は、たいてい作品から始まります。良い作品を1点ずつ選び、建築ができあがったあとで壁に掛けていく。そのため、作品同士のつながりも、建物とのつながりも生まれにくくなります。
PWSでは空間から始めました。それぞれの空間の性格を先に読み、そこに何が要るかを決めてから作品を選ぶ。到着ロビー、静かなラウンジ、ライブラリー、庭。トーンは空間ごとに変えましたが、選ぶ基準は全体でひとつに保ちました。
作品を選ぶときに考えたのは、作品の良し悪しより、その場所に合っているかどうかです。素材、大きさ、置く位置を空間ごとに先に決め、それに合う作品を選んだり、作家に依頼したりしました。飾るために置くのではなく、空間の一部として置くためです。
施設全体のアートキュレーションを担当し、作品の選定と作家への依頼、空間ごとの素材と大きさの調整を行いました。
到着ロビーには白い有機的な形の彫刻を置き、入ってきた人を迎えます。ラウンジには藍色の平面作品を入れて、空間に動きを出しました。庭側には水を想起させる青緑のガラスの柱を計画しました。屋内を屋外に繋げる植栽を使った作品を置き、庭を内側へ引き込みました。
この規模では、何を置かないかも同じくらい大事です。作品を置かずに残した静かな空間があることで、作品のある空間が引き立ちます。